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「衛生講習会」及び「研修会」の報告

【更新日:2016.06.28】

 日時 平成28年6月28日(火)
 会場 浜松市浜北文化センター 3階大会議室

第1部 衛生講習会
 講演 「感染症予防について」
 講師 浜松市保健所浜北支所 食品衛生監視員
(講演要旨)
u     感染症とは
  Øウィルスなどの病原体が体内に侵入し、増殖することによって引き起こされる病気
u     主な感染経路
  Ø接触感染、飛沫感染、空気感染、経口感染があります
u     感染症予防とは
  Ø感染経路を断つ:感染源を‥持ち込まない・広げない・持ち出さない
  Ø抵抗力をつける:宿主(人間)の『抵抗力の向上
u     ノロウィルス手洗い方法(厚生労働省)
  http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/link01-01_leaf02.pdf
u
     食中毒予防リーフレット(厚生労働省)
  http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/link01-01_leaf01.pdf

第2部 研修会
 講演 「特定給食施設について」
 講師 浜松市保健所生活衛生課 栄養指導員
(講演要旨)研修会で配布した資料を見てください
 ※当日出席できなかった会員は、事務局にメールでご連絡ください。
  資料をPDFで提供します。
  chairman@jyuji.or.jp (十字の園平井)

第3部 平成28年度衛生講習会
 講師 浜松市保健所 浜北支所

u     浜松市食中毒発生情報 平成27年次(1月~12月)3件
    発生月日(2/7)患者数(6人)病因物質(ノロウィルス)
原因食品(会食料理)発生要因(調理従事者を介した二次汚染)
    発生月日(5/30)患者数(16人)病因物質(クドア・セプテンプンクタータ)
原因食品(ヒラメの刺身)発生要因(原材料の汚染)
   発生月日(11/30)患者数(44人)病因物質(ノロウィルス)
原因食品(会食料理)発生要因(調理従事者を介した二次汚染)
u  静岡県食中毒発生情報 平成27年次(1月~12月)28880
Ø  業種:食堂(13件)、旅館(5件)、仕出し屋(3件)、すし屋(2件)、
     料理店、露店、そうざい屋、集団給食、家庭、その他(1件)
Ø  病因物質:ノロウィルス(21件)、カンピロバクター・ジェジュニ、
セレウス菌(各
2件)、植物性自然毒、ヒスタミン、
クドア・セプテンプンクタータ(各
1件)
u静岡県食中毒発生情報 平成28年(1月~2月)
    発生月日(1/25)患者数(17人)業種(食堂)病因物質(ノロウィルス)
原因食品(会食料理)
    発生月日(2/2)患者数(28人)業種(集団給食施設)病因物質(ノロウィルス)
原因食品(給食)
    発生月日(2/14)患者数(6人)業種(料理店)病因物質(ノロウィルス)
原因食品(生牡蠣:推定)

ノロウィルス
主症状:下痢・嘔吐・腹痛・吐気・発熱
潜伏期間:12
特徴:
・口から入り、ヒトの象徴粘膜で増殖する(食品中では増殖しない)
嘔瀉物や糞便中に大量に含まれる
・伝染力が強く、少量のウィルスを摂取すると感染が成立する
2015年に新型ノロウィルス「GⅡ.17」が流行

ノロウィルス食中毒の対策
u  手洗いの徹底
u  十分な加熱(中心部が890°で90秒以上)
u  下痢や嘔吐の症状がある場合は絶対調理に携わらない
  (調理従事者の毎日の健康チェックを)
u  アルコール消毒は効かない。
   ⇒消毒は次亜塩素酸ナトリウムを使用する
u  カキ等の2枚貝は生食で提供しない

ノロウィルスの食中毒予防の四原則
 Ø  持ち込まない:健康状態の管理、手洗い励行
 Ø  付けない  :手洗い励行、器具等の衛生的な取り扱い
 Ø  拡げない  :器具の洗浄消毒、施設の衛生管理
 Ø  やっつける :中心部まで加熱(8590℃で90秒以上)

カンピロバクター・ジェジュニ
 潜伏期間:27日(平均23日)
 主症状:発熱・腹痛・下痢・頭痛・吐気・嘔吐
 特徴:さまざまな動物の腸管内生息し、動物の排泄物中に多く存在している
 原因食品:鶏の刺身やたたき、生レバー、生焼けの肉、
菌のついた包丁やまな板で調理した食品
 Ø  食肉類の生食をしない
 Ø  中心部までしっかり加熱(中心部が75℃1分間以上)
 Ø  食品、器具の二次汚染をさける
 Ø  調理器具の洗浄後、感想を十分にする

食中毒にならないためには?
 予防三原則‥毎日の積み重ねで防止!
 Ø  つけない(清潔):手洗い励行、器具の消毒、防虫駆除
 Ø  ふやさない(迅速・冷却):10℃以下に保存、手際よく調理、作り置きをしない
 Ø  やっつける(加熱・殺菌):中心部まで加熱‥75℃(85℃)1分以上

クドア・セプテンプンクタータ
 潜伏期間:数時間
 主症状:激しい下痢・嘔吐等(一過性)
 特徴:魚類の筋肉細胞に寄生する粘液胞子虫で、肉眼で発見するのは困難
 現在のところ、ヒラメ中の本寄生虫について食中毒への関与が強く示唆されている
 Ø  15℃~-20℃で4時間以上の冷凍、中心温度75℃・5分以上の加熱により失活する

クドア・イワタイ
 マダカからクドア族寄生虫が検出された

平成27年次 苦情受付件数
浜松市保健所で平成27年次に355件の苦情を受け付けました。
 異物混入(108件)、腐敗変敗(26件)、表示(19件)、カビ発生(5件)
 その他(197件)‥みかんゼリーを食べてアレルギーの発生、
 食事をしたら体調不良など

苦情の悪い対応例
Ø  パートやアルバイトに対応させ責任者が知らん顔をしている
Ø  苦情の内容を疑い、反省、謝罪しない
Ø  「今忙しい」「責任者不在」などたらい回し
Ø  「金さえ返せば文句ないだろう」との対応
Ø  調査を約束しても調査せず、苦情者への報告をしない
Ø  製造者に責任があるのだから販売店には非がないなど責任逃れをする

アレルギー物質の表示
特定原材料(7品目:表示義務)
 卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに
特定原材料に準ずるもの(20品目:表示を推奨)
 あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、
 牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、まつたけ、
もも、やまいも、りんご、ゼラチン、ごま、カシューナッツ

大量調理施設衛生管理マニュアル

あらゆるメニューで実施できるオールラウンドプレーヤー(総論的)
    ↓
さらにリスク軽減

HACCPシステムの5原則を活用
各メニュー毎に、食中毒の原因を発生させる可能性のある要因
(環境、状況、調理操作)をすべて洗い出し、それらをコントロールする

HACCPを一言で言うと HAHazard Analysis(危害の分析:食中毒菌、異物など)
CCPCritical Control Point(重要管理点:75℃1分間の加熱など)
 各製造工程の危害を分析し、
 特に重要な工程を継続的に監視・記録する工程管理システム。
7原則12手順で規定されている。

7原則12手順とは
手順① HACCPチームの編成
手順② 製品の記述
手順③ 意図する用途及び対象となる消費者の確認
手順④ フローダイアグラムの作成
手順⑤ フローダイアグラムを現場で確認
手順⑥ 原則その1「危害分析」
手順⑦ 原則その2「防止装置」(重要管理点)の決定
手順⑧ 原則その3「管理基準」の設定
手順⑨ 原則その4「モニタリング」方法の設定
手順⑩ 原則その5「改善措置」の設定
手順⑫ 原則その7「記録と保存」方法の設定

 

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